卒論の構成を焼く
こんにちは。卒論を焼きにきました。
前回は徳化窯に関する古い記述を漁ってみたわけですが、建窯と混同されてかわいそうな目に遭っているところを見てしまいましたね。でもやっぱり白磁の人形生産で有名なことは変わらなさそうです。
今回はアテクシの卒論がどんな風に進もうとしているのかを知っていただこうかと思います。今更って感じですよね、すみません。ぺろ。
まず第1章で徳化窯についての基本的な情報、歴史について述べ、研究史を調べることで徳化窯についての全体の把握を行います。まさに前回行ったような調査の集合体ですね。怖。
第2章からは私の一番気になっている「白磁観音像」について触れていきたいと思っています。
生産史から、いつ頃観音像が造られるようになったか、観音像にはどのような種類・特徴があり、それが中国における観音信仰とどのような関わりを持つか、を調べることができたらと思います。
第3章では徳化窯からの輸出について、日本におけるマリア観音を中心に述べます。
マリア観音というのは天草の隠れキリシタンたちに「マリア様」として崇拝された子安観音像で、中国・福建省から輸入されたものの他に日本製のものも発見されています*1。
ここでは西洋諸国への輸出例はアウグスト強王を中心に少し紹介するのみにとどめ、中心は白磁観音像、特に日本の隠れキリシタンによって崇拝されたものを取り上げることにします。
日本へ輸入される観音像にはどのような傾向が見られるのか、また日本での白磁観音像の作例があればそれらを取り上げ、私の最も述べたい「白磁観音像に求められた聖性」について自分なりに考察することができればと思っています。
聖性ってナンジャソリャ?って感じですよねぇ。
では実際に白磁観音像をご覧ください。
肌の艶と肉感だけでなく、衣の質感まで、この世にはないような軽やかさと静けさが「白磁」という材料によって見事に表現されています。非常に美しく、清らかな作品です。
この、白磁にしか成し得ない聖性の獲得といえば良いでしょうか、そういったことを私は言葉にしてみたいのです。
以上!だいたいこんなかーんじで卒論進めちゃお☆
今回もお読みいただきありがとうございました。
きちんと道筋と目標を言葉にすることで、なんだか今後が見えてきた気がします。実際は真っ暗闇なんですが。
ヒヒッ・・・楽しみだなぁ・・・
〈参考文献〉
沈薇薇「マリア観音と天草の隠れキリシタン信仰ーサンタ・マリア館所蔵資料を中心にー」『周縁の文化交渉学シリーズ2『天草諸島の文化交渉研究』』関西大学学術リポジトリ 2011
V&A Museum "Blanc de Chine_white porcelain from China"(https://www.vam.ac.uk/articles/blanc-de-chine-white-porcelain-from-china
2020年7月21日閲覧)
*1:沈薇薇